私の工房で修理・調整している楽器は、ほとんどが他店で購入した楽器なのですが、チェロとヴィオラは、残念ながら本当の意味での良い作りの楽器って、本当に少ないです。

 「新作楽器」とか、「古い楽器」とか、「ラベル」の問題とか、そういうことではありません。

 事実、こう言っている私でさえも、「良いチェロ(またはヴィオラ)を探してください」と頼まれても、そう簡単に「了解です!」とは返答できないくらい難しい話なので、まして皆さんに(例えプロの演奏者であったとしても)それがそう簡単にできるわけは無いのです。
 だから、あまり良い楽器が少ないというのは、理解できるのですが・・・。

 

 下に、良い楽器を手に入れる(良い楽器との貴重な”縁”を不意にしない)コツを書いておきます。

1. 自分で知ったかぶりして選ばない(自分は何も判っていないという自覚が必要です)。
2. 専門家と信頼関係を築き、そこに紹介してもらった物こそが、「本物」です。そして、購入後にも、その楽器店(工房)に通い続けてください。他店に行ってはいけません。逆に、その後の調整や修理を任せたくないような楽器店で売っている(仕入れている)楽器に、まともな物が有るわけがないのです。
3. 楽器を購入する前に、実性能の良い弓(ラベルの話ではありません)を手に入れてください。実性能の良い弓無しに、良い楽器を試奏することは原理的に不可能だからです。
4. 高い買い物ですから慎重になるのは当然なのですが、信頼している楽器店(工房)という前提なのですから、清水の舞台から飛び降りるような「おもいきり」も必要です。
5. ネットの情報なんてクズばかりですから、悪影響にしかなりません。
6. 通販やオークションなんて論外です。

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