調整で、「こんなに音が変わるとは思っていなかった」とか、「私の楽器って、こんな音がする楽器だったのですね」みたいに、音が良くなったという事に関する感想を頂くのは、もちろん嬉しいことです。私が狙って、そうしたことですから。さらに、それは「弓の性能」から調整、そしてボウイングへ至る、「一貫した理論」の証明でもあるわけです。
もう一方、一見ちょっと地味な事なのですが、「弾きやすくなった!」とお褒めを頂くことも、上記と同じくらい嬉しいものなのです。
なぜなら、「弾きやすさ」とは寸法的な要因が主で、それは端的に技術力を褒められたのと等しいからです。
もっとも、私からすると、「音」と「弾きやすさ」は同じ物の別側面で、お互いが影響し合って成り立っているものなのです。一番判りやすく言えば、電磁波みたいなものです。電気と磁気がお互いに励起し合って進んでいくような、ちょうどそんな感じなのです。
関連記事:
- 良い楽器とは、まずは弾きやすいのです
- 音の変化よりも、弾きやすさの変化に注目して欲しい
- 弓が正しい弾き方に矯正してくれる
- 楽器の「音の深さ」という感覚は、なかなか理解してもらえません
- 「弦」単体だけでは何も語れません