通常のニス修正は、楽器を作業台の上に横にして置いてから行います。ところがチェロの場合には、演奏を縦にして行うために、どうしても縦方面からの傷が付きやすいのと、または縦方面からの傷が目に付きやすいという特徴があります。

 よってニス修正も、楽器を縦にした状態で行うと、効率の良いニス修正が可能になるのです。また、楽器の様々な箇所を一廻りニス修正しても、こうして吊っておけば、そのニスを塗った箇所が置き台に触れずに、理想的な初期乾燥を行うことが出来るのも特徴です(ちょっと邪魔ですが)。私の工房に設置した撮影用のスカイレールシステムは、このような作業にも役に立っているのです。


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