先日偶然に、ルートヴィヒ・シュトライヒャー演奏の「驚異!コントラバスの妙技」というLPレコードが目に止まりました。このLPレコード、学生時代に購入してお気に入りのレコードの一枚だったのです。

 特に、東京ヴァイオリン製作学校の助手時代に、現コントラバス製作者のF氏と一緒に、夜中に工房でコーヒーを飲みながらこの曲を聴きながら作業をしていたのを想い出します。私の中では、このレコードのコントラバスの音色が、コーヒーと重なったイメージなのです。
 このレコードは、そのF氏がずいぶん気に入ったので、プレゼントして私の手元にはもう無かったのです(どのみち、レコードは全て処分してしまったのですが)。

 懐かしさあまりレコードを再購入したのですが、私はもうレコードプレーヤーを所有していません。そこで、学生時代のオケの先輩でオーディオにも詳しいAさんに録音をお願いしました。さっそく、圧縮したデータをネット経由で頂いたので、聴いてみました(高音質オリジナルデータは後日送ってくださるとのことで、後の楽しみ)。27~8年ぶりでしょうか。

 久しぶりに聴くこのレコードの甘いコントラバスの音色は、アナログレコードの甘さと重なって、何とも素晴らしい雰囲気です。コントラバスの音色も素敵です。

 あ~、聴いていたら工房でコーヒーを淹れたくなった。

 

補足:このレコードのタイトルが「コントラバスの妙技」となっているので、ゲリーカーのようにソリスティックな技法をひけらかしたヒステリックな演奏や曲になっているかとも思いきや、とても素敵な曲と演奏なのです。コントラバスの方は是非聴いてください。お勧めですよ。

補足2:上記のサンプル音はレコードA面に収録されている、「ヨハン・バプティスト・ヴァンハル 1773年作曲 コントラバスと室内オーケストラのための協奏曲」です。1773年にこんなコントラバスの素晴らしい曲が存在していたのですね。
 ちなみにB面は「エーリヒ・ウルバンナー 1973年作曲 コントラバスと室内オーケストラのための協奏曲」です。こちらはいかにも現代音楽で、ちょっと聴くのが辛いのでほとんど聴いた事がありません。

関連記事: