全ての楽器は、弦の張力によって、多かれ少なかれネック(指板)が下がってきて、それに伴って駒を削る作業を繰り返すものです。
酷いが物になると、新作完成後に(輸入されて)店に並んでいるその時点で、ネックが大きく下がってしまっている楽器も多いのです(このような程度の低い楽器でも、受けの良いラベルさえ付いていれば、飛ぶように売れるみたいです)。
ところがカントゥーシャ作の楽器は(手前味噌ですが、私がカントゥーシャの製作理論で作った楽器も)、ネックの下がりはほとんど出ません。30年くらい経った楽器でも、ほとんど新作時の状態を保ったままなのです(私は新作時の状態を製作理論的に知っているので判ります)。
これはなぜかというと、音響構造物としての強度理論がちゃんと考慮された製作がされているからなのです。だから音が良いのです。意外と思われるかも知れませんが、ほとんどの製作者って、音の事ばかり主張していますが、このような構造理論の事は知らないのです。
カントゥーシャ作の楽器の音が良いのは、きちんとした構造的な根拠があるからです。もっとも、それを判っていない技術者が方向違いの調整を行ってしまうと、??って音になってしまうのですが。
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