以前、「ウィーンフィルのヴァイオリン奏者が理にかなった運動の演奏をしていた」という内容の記事を書きました。
今回のクリーヴランド管弦楽団の1stヴァイオリンのコンサートマスターを始め、ほとんどの奏者(1stVn)がやはり、理にかなった弾き方をしていました。
上手なオケは、理にかなった演奏をしています。いや、理にかなった演奏をしているから、上手なのでしょう。
特にコンサートマスターの弾き方を見ると、それ以降のプルトの奏者の弾き方も大体わかります。コンサートマスターの弾き方を模範とするからなのか、それともコンサートマスターが「理にかなった奏法」の奏者を意識的にか、または無意識にか採用する(採用において大きな影響力を持つ)からか、そのどちらかなのでしょう。
ちなみに、その「理にかなった」という奏法の特徴はいくつもあるのですが、その中でわかりやすい現象はつぎのようなものです。
・馬毛を弓竿と平行になるようにパンパンに張っていない(少ししか張っていない)。
・弓が吸い付くようなボウイングをしている。
・弓が弓中で跳ねていない。
・楽器の指板の方向が身体の中心線と比べて真横になるような、左肩で持っていない。
・音のダイナミクスが大きく、引き込まれるようなppと圧倒されるようなffを演奏できる。
・ぶら下がり手首の奏法(弓を持つ手首)をしていない。
・弦の音に芯がある(ぼやけていない)。
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