私は以前から事があるごとに、「商品を買うのではなく、技術(=人)を買うのです」と説明してきました。

 しかし、なかなか理解してもらえないどころか、私の主張とは真反対の考えや行動を起こす人が、年々増加していると感じます。悲しいかな、私の工房のお客様の中でさえ、そう感じるのですから‥。

 「技術」より、「商品」の方が高価だと思われているのです。技術なんて、買ってから探せば良いと感じているのでしょう。

 しかし、そんなところで購入した楽器や、弓や、またはケースや部品などがまともだと思いますか?

 家電製品とは違うのです。

 家電製品なら、A店から購入した製品”X”でも、B店から購入した製品”X”でも、通販C店から購入した製品”X”でも、(後日のサポート面を除けば)ほぼ同じ物と考えることが出来ます。しかし、弦楽器関連品の場合には、型番的には同じ製品”X”でも、まるで違う物です。

 

 仕入れの能力(何を良いと判断して仕入れているか)、そして仕入れた物の修理・調整能力、そして販売能力、さらに継続性。

 これらの難しさが家電製品よりもはるかに複雑だという事は、皆さんにだって想像できるはず。例えば億を超えるような価格の超有名ラベルの楽器だって、ピンからキリまで様々なくらい複雑怪奇な世界なのです。

 商品やお得情報をネット検索で探し回るのではなく、直接「勇気を持って」出向いて、話しをしてみてください。そして、「人」を探してください。

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