私の工房でも「マンモスの牙」素材から作られたフロッシュの弓だとか、白い装飾リングが付いた糸巻きの楽器をお売りすることがあります。会話の中では単に「象牙」と言う事もありますが、実は弦楽器関連の新しい輸入製品ではほぼ100%がマンモスの牙です。

 それで「これは実際には、象牙ではなくマンモスなのですが・・」と言うと、「ええっ、象牙とマンモスは違うんですか?」と言われます。

 その「違い」とは、素材の質の違いというよりも、「輸入規制対象かどうか」という面なのです。例えばアフリカ象とかの象牙の輸入はアウトですが(中には正式な輸入もあるのですが、そう簡単な話ではありません)、シベリアの土から掘り起こされたマンモスの牙はOKなのです。

 専門的な事を言うと素材としての性質は若干違うのですが、普通の人から見たら「ほぼ同じもの」と考えても良いと思います。マンモスの牙も、「ほぼ象牙と同じもの」と考えて良いです。会話上は「象牙」と言ってもけっして間違ってはいません。

 ただ、空港の関税とかで質問されたら、はっきりと「これはマンモス(ドイツ語ではマムート)です!」と説明してください。税関においては「象牙」と「マンモス」は全く別物ですから、絶対に「象牙(”アイボリー”とか”エレファント”)」なんて言葉を発しないよう注意してください。

関連記事: