人と話をするのはとても楽しいです。というのは、自分と全く違った考え方をしているので、自分が当たり前に捉えている世界観や価値観が、単なる一側面であるということにハッと気づけるからです。

 一昨日に、学生時代にオケで一緒だったAさんご夫婦が訪ねてくださって、楽しい会話をしていたのです。そこで、たまたま私が購入したばかりのデュプレ演奏のドヴォルザークのチェロ協奏曲のLPレコードを、一緒に聴いたのです。

 ドヴォルザークのチェロ協奏曲の曲が始まって直ぐ、そのAさん、耳をすませて、「ここのホルンの演奏の難しさは・・・」とか、色々な感想を語ったのです。というのはAさんはアマチュアのホルン吹きだからです。

 なんと、私にとってはその部分はチェロのソロが入る前の単なる前奏部分で、今まで一度も意識したことが無かったのです。私はこの曲のほんの一側面だけを眺めて、ある世界観を作り上げていて、そして別の人はまた別の側面から同じ物を眺めて、また別の世界観を作り上げています。

 当たり前と言えば、当たり前なのですが、目の前に私が気がついていない、または私の知らない世界がたくさんあるのです。とても楽しくなっちゃいますね。

 

関連記事: