なぜ我々人間は、音楽に魅力を感じているのでしょうか? 究極の部分では以前にも何度も書いた事がある「遠足のおにぎり」なのですが、今回はもっと具体的な事を書いてみましょう。
先日「人類の代表曲を一曲あげろといわれたら」の記事の中でも書いたのですが、私は音楽の重要な要因として次の要素が挙げられてると思います。
1.リズム
これは人間の心臓の鼓動、呼吸が起因していると思います。人間は胎児の時から母親の鼓動を聴きながら成長しているために、リズムというものに安らぎを感じるのでしょう。またはその逆に、平常時のリズムの乱れから、「興奮」とかの感情を生み出すのだと思います。
2. ダイナミクス
この「ダイナミクス(音の強弱)」とは、私の工房に弓の試奏に入らしたお客様に必ず説明する内容です。かいつまんで説明すると、人間の聴覚の特徴として、音の強弱に対して敏感に(相対的に)反応する特徴があるのです。ほとんど全ての音楽は、この「人間が音の強弱に敏感に反応しやすいという生理的現象」を利用して意図的に作成(作曲)されています。この「ダイナミクス」も音楽の重要な要素のひとつです。
3. アレンジ・バリエーション
これは人間の高度な脳からくる「知的好奇心」です。人間の脳の思考が高度化から、音(または曲)の変化に対する好奇心が高く、音の変化、または曲の変化に対して刺激を感じ、そして次の予想をして楽しみを感じるのです。例えば、ある大きな物が置かれていたときに、その物への好奇心だけではなく、「その物の裏側」への好奇心さえ感じるのです。
このように、「音楽の本質」を考えていくと、「音の本質」の方向性も見えてきて、その応用として「良い楽器とは何か」という方針もおぼろげながら見えてくるのです。「おぼろげながら」ですが。
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