私は一貫して、「上手な演奏者でも、弾いて良い弓を見極めることは不可能」と主張してきました。この私の意見に対して、「そんなバカな」と思われる方がほとんどだと思いますが、私の工房に実際にいらして、「弓の性能の理論」を聴いた方は納得して頂けると思います。
くどいようですが、脳が理解していなければ、どんなに上手な演奏者でもそれまでの自分の価値観を越える弓を選ぶことは不可能なのです。自分の自信を持った「感覚」など、当てにならないものなのです(その証拠に、酷い弓や楽器を購入して後年後悔している演奏者のいかに多いことか・・)。
そのようなわけで、私は弓の試奏の前に「弓の性能の理論、人間の聴覚の特徴からくる音楽の仕組み」を説明するのですが、昨年末に導入した「荷重-変位測定器」によって、より具体的な説明もできるようになりました。
皆さんが弓を選ぶ上で、より安心して判断して頂けると思います。
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