最近私のブログ記事で、オイストラフのレコードの事が多く、「またそれか」と呆れている方も多いと思います。私のホームページやブログを検索しているほとんど方は、弦楽器関連の直接的な情報やヒントが欲しくて検索しています。オーディオには興味は無いのも知っています。

 しかし、私は単にオーディオの事を書いているのではありません。あくまでも弦楽器関連の、それも直接的なヒントになるから、わざわざ大金をかけて機材を購入して、時間をかけて試行錯誤しているのです。

 話が少々ずれましたが、「なぜオイストラフなのか?」というと、オイストラフの演奏が、もっと具体的に言えばボウイングが実に理にかなっているからです。それは演奏を高音質な音で聴けばわかります。私が常に主張している、「真の意味での性能の高い弓で、弓の圧力を利用したボウイウング」を実行しているのがオイストラフなのです。

 オイストラフこそが、ヴァイオリン演奏の教科書だと思います。演奏者としての好みとかの話ではありません。物理的な運動の話です。

 本当ならば、現代の演奏家で「教科書(見本)」を示すべきだと思います。それは、私は、一例をあげるならばキュッヒル氏だと思います。しかし、現代の演奏家だと、各人の色々なしがらみとか、好みとか、感情移入が有って、なかなか素直な気持ちで評価、分析できないものです。だから、キュッヒル氏で説明するよりも、オイストラフで説明した方がずっと効果的なのです(キュッヒルとオイストラフが演奏家として同格と言っているのではありません。あくまで運動論の話です)。

 いずれにせよ、「オイストラフ」は手本です。見本です。そしてオイストラフのボウイングと、それに伴って出てくる音をを分析していくと、私の主張している「弓の理論」が大筋では間違っていない(矛盾していない)という事が見えてくるのです。

 一方、演奏家としては魅力的であってもコーガンは違うのです。ハイフェッツ、メニューインも違います。ヌヴーに至っては、録音が悪くて評価外です(しつこいようですが演奏の好みの話は別です)。

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