最近は若い人の間で、レコード以上にカセットテープが人気らしいのです。

 その人気の理由はすごく理解できます。現代の無機質な価値観の中で、実際に手に取って、感触があって、その動作が見えて、そして動作が理解できる単純なアナログ機械が、心地よいのです。温かみを感じるのです。自分が生きていることを実感できるのです。

 これはレコードも全く同じなのですが、カセットテープはレコードよりももっと扱いやすいですし、安いです。場所も取らないです。そういった意味で、若者に人気なのかもしれません。

 実は、私は今まで一度も、市販のミュージックテープを購入した事がありませんでした。その理由は、レコードと比べて音が悪かったからです。
 我々同世代の人には「あるある」ですが、市販のミュージックテープって、安いグレードのテープに高速度録音を行って製作しているので、原理的に音質が良くないのです。だから、レコードを購入して、それを自分で高性能カセットテープにコピーして、それでカセットを聴いていたのです。

 ところが少し前、ついに、ミュージックカセットテープ(もちろん中古)を購入してしまいました。なんと、松田聖子のミュージックカセット9本セット!購入した理由は、たまたま、安かったからです。もちろん松田聖子の歌を久しぶりに聴いてみたいと思ったことも理由です(「赤いスイトピー」とか数曲しか知りませんが)。

 それで改めて思ったのですが、ミュージックカセットからは、レコードのような感動は、私は感じませんでした。感じたのは、「ああ、そうそうこういう音」って感じです。

 ちなみに、音がイマイチだと言っているのは、市販のミュージックカセットの音質の事です。例えば、メタルテープに高性能デッキで録音したカセットテープの音などは、驚くほど高音質です。

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