最近、何度も書いている事ですが、「ELPレーザーターンテーブルの音って、もはやCDです」。

 こう表現すると、意外に思われるかも知れません。なぜ格下のCDと同列に例えるのか?、と。

 違うのです。CDの音はとても良いのです。「レコードの音は艶やかで品があって、CDとは違うのだ」と思い込んでいた、その考え方自体が、本来のレコードの音を知らなかっただけの事だったのです。

 これまでの針式のアナログレコードプレーヤでは、物理慣性の原理的に、レコードの溝を正確にトレースできていなかったのです。

 ELPレーザーターンテーブルは、(100%完璧な機械ではありませんが)、それが出来るのです。

 これが私の正直な感想です。

 

 さて、それではCDと同じ音のレコードに何の価値があるのでしょうか?

 例えば、このギレリス演奏のベートーヴェンピアノソナタ「悲愴」のレコードは、CDとそっくりです(これ以外にもLPとCDの音がそっくりなものは私が当初考えていた以上に多くあるのです)。それならば、レコードではなくて、便利なCDを聴けば良いと思われる方も多いと思います。

 しかし、音響的にはELPレーザーターンテーブルで再生したLPとCDの音が同じであっても、レコードの音の方が良いと感じるのです。その理由は、

1.ジャケットから当時発売された当時の、「オリジナル」を感じる事ができる。

2. ジャケットの写真の大きさだとか、ジャケット裏面の当時の解説が心地よい。

3. CDと違って、レコード盤面をクリーニングしたり、手間がかかる分だけ、出た音に愛着がある。自分の行動と感動と結びつけやすい。

4. レコードノイズが、本来の信号(音楽)との相対距離を生む。すなわち、レコードの方が空間を感じやすく、それはリアル感も生み出す。

5. 古い録音ではマスターテープが存在しない物も多く、後に発売されたCDはレコードプレーヤーで再生した音から製作されている。すなわち、そのようなCDは原理的にレコードの音を絶対に越えられません。オイストラフの演奏なども、レコードとCDとではまるで違います。

6. 後に発売されたCDを、エンジニアが拘りを持って、レコードの音に近づけようと加工してしまったCDも多く見受けられます(そういうCDには解説で、音の拘りが書かれています)。ところが、そのエンジニアが基準としたレコードの音って、通常の針式のアナログレコードプレーヤーなのです。だから製作されたCDも、音が丸く加工されてしまっています。だからCDの音が悪いのです。

 このように、ELPターンテーブルで再生されたレコード音は素晴らしいのです。

 ELPレーザーターンテーブルって、オーディオ雑誌にはほとんど掲載されませんし、なんだか怪しいばった物のように思われる方も多いと思います。しかし、弦楽器の音に拘っている私が言い切ります。「素晴らしい」と。

 レコードマニア、オーディオマニアの方は、是非購入してみてください。最初はあまりの価値観の相違に拒絶すること間違い有りませんが、半年聴いていると「ELPレーザーターンテーブルでしか感じる事が出来ない、レコードの本質」が見えてきますから。

 ただし注意が必要です。手軽さと、完璧さを求めてはいけません。その辺りは弦楽器とそっくりです。

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