ELP社の説明では、おおよそ、「レーザーターンテーブルは、レコード針で傷んでいない、レコード溝の比較的上側の情報を読み取っているので古いレコードでも音が良い」みたいな説明が書かれています。
しかし、私が以前比較サンプルとしてアップロードした「ビートルズ ノルウェイの森」音源では、表面に付いている傷の音が、針式のレコードではプツプツと再生されているのに、ELPレーザーターンテーブルではほとんど傷音は再生されていませんでした。
もしも、レーザーターンテーブルのレーザーが溝の上部に照射されているならば、レーザーターンテーブルでも表面に付いた傷の音が大きく再生されるはずだと想像したのです。
そこでマイクロスコープでレコードの傷を撮影して、3D表示にしてみました。
百聞は一見に如かず、こうして実際に観察してみると一目瞭然です。レコード針は、表面に付いた傷が溝幅を狭めてしまっていたために、その部分で左斜め上向きへ浮いてしまっていたのです。それが片チャンネルのみのプツプツノイズ音となっていたのでしょう。ちなみに、拡大写真から、この傷が写真右から左への付けられたと言う事さえも読み取ることができます。
一方、ELPレーザーターンテーブルのレーザーピックアップは、おそらくV字溝の中央部分か溝の下部分をトレースしていたと想像できます。だから表面についた傷跡の影響をあまり受けなかったのでしょう。
結論としては、ELPレーザーターンテーブルのレーザーピックアップは、V字溝の最上部をトレースしているわけでは無く、おそらく中央部分をトレースしているのではないかと思われます。
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