これまでこのブログ中において何度も、私が考案したエンドピンストッパー板”Zauberplatte”の凄さを主張してきました。しかし、実際に使っている人には同意してもらえると確信していますが、ネットで検索しているだけの人にとっては、数多く存在するエンドピンストッパーの一つ(それも価格が高い)にしかすぎないと思われていることでしょう。

 例えばこのチェロのハイスピード撮影の弦の様子を見てください。多くの方はC弦の派手な振動の様子だけに目を奪われてしまうかもしれませんが、弓と弦の接点に注目してみてください。

 「馬毛がその摩擦力を利用して、弓矢の弓を引くように弦をギリギリギリ・・と引っ張って、パッと離している」のが判るでしょうか?

 満月のように引かれている弓を、パッと離すと、弓は勢いよくビュンと弾かれます。ハイスピード撮影をして観察をすることで、撥弦の実際の仕組みが見えてくるのです。

 この勢いよく弾かれた弦のスピードを見てください。かなりの衝撃です。

 すなわちチェロは、瞬間的に打撃され続けているのです。この瞬間的なエネルギーの一部が、エンドピンの先に達しているのです。そしてそのエンドピンの先において、エネルギーが熱変換されてしまうと、「エネルギー変換装置」としての楽器という物の性能が劣化してしまうのです。

 私の考案した”Zauberplatte”は、このような仕組みを考慮した上で設計されています。だから音「も」良いのです。

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