最近、私のブログには「ELPレーザーターンテーブル」の検索アクセスがたくさんあります。導入を検討されている方も多いのかもしれません。
そこでユーザーである私が率直なアドバイスを書きます。
1.ELPレーザーターンテーブルは魔法のプレーヤーではない
一番重要なのは、この事です。どの製品でも同じなのですが、「良い点、優れている点」はもちろんですが、「デメリット」、「???」っていうマイナス点も確実に存在します。過度な期待は禁物です。
2.メーカーの宣伝を鵜呑みにしてはいけない
私はELP社とは何ら関係が無いので率直に書きますが、ELP社の宣伝文句を100%鵜呑みにしてはいけません。もちろん、嘘が書かれているわけではありません。しかし、どのメーカーでもそうなのですが、書かれているのはあくまでも「宣伝」です。
例えば、「針で摩耗した状態の悪い盤面の、まだ傷んでいない溝の部分をトレースして・・・」みたいな効能が書かれていますが、けっして嘘ではありませんが、過度の期待をするとガッカリすることでしょう。傷んだ盤面は、きっちり傷んだ状態で再生されます。中には、(劣化した盤面再生の意味で)良い場合もありますが、逆に悪い場合もあります。ELPレーザーターンテーブルが、状態の悪いレコード盤の再生に極端に強いとは、私には思えません。
3.製品の「作り」の完成度は、手作り品的です
大手メーカーの高級オーディオ製品の「作り」を期待していると、ちょっとガッカリするかもしれません。
4.あくまでも「アナログレコードプレーヤー」です
「レーザー」ピックアップを使ってはいますが、あくまでも純粋なアナログプレーヤーです。だから素晴らしいのです! しかしデジタル処理をして、さらにノイズ処理までしていると勘違いしている人も多いです。
5. 純粋なアナログプレーヤーだからこそ、それ以外のオーディオ装置の品質が重要
ELPレーザーターンテーブルは、純粋なアナログプレーヤーです。だからこそ、フォノイコライザーの性能とか、アンプの性能とかが重要になってきます。そういう意味では、これまでのハイエンドアナログプレーヤーと全く変わるところはありません。
6.超高性能再生が可能だからこそ、最終的には盤面の状態が最重要
ELPレーザーターンテーブルは、これまでのアナログレコードプレーヤーでは原理的に出来なかったような再生が可能です。とくに中低音の音の発音と分離は感動ものです。
だからこそ、ELPレーザーターンテーブルにとって一番重要なのは、「状態の良い盤」なのです。録音品質(版なども)、物理的な損傷の具合、そしてレコードクリーニングの徹底です。私が同じ録音のレコードを何枚も購入しているというのは、高音質再生をするために、より良い状態の盤を選んでいるからです。
別の言い方をするならば、個々の盤の状態を、明確に、正確に再生出来ます。今までのアナログレコードプレーヤーの音が、ソフトに感じてしまうくらいの解像力です。
まるで否定的な事を書いているように感じるかもしれませんが、逆です。そのくらい素晴らしい音なのです。
これは「良い楽器」と全く同じです。高価なので購入を躊躇してしまいますが、この音質の凄さを知ってしまうと、自分の価値観ががらりと変わりました。今となっては結果的に「安かった」とさえ思えるくらいです。ELPレーザーターンテーブルを思い切って購入していなかったら、私はこの事を知らずに(不満も無く)一生を過ごしたのでしょう。
補足:ELPレーザーターンテーブルで録音したサンプル音の一覧
関連記事:
- ELPレーザーターンテーブル(master α型)だと、1812年の大砲も簡単に再生
- 「翼をください」のシングルレコード
- ELPレーザーターンテーブルで再生した音が良いという、一つの証拠 ~ギレリス演奏の悲愴
- ELPレーザーターンテーブルは、ライン出力とフォノ出力のどちらが良いか?
- ELPレーザーターンテーブルのレーザー・ピックアップは、溝のどの辺を読み取っているのか?