この録音は、旧ソ連の巨匠エミール・ギレリスが彼の演奏人生の再晩年にデジタル録音で残した、貴重な録音です。デジタル録音によって、彼の演奏の鋭く、力強く、そして華麗なタッチが再現されています。ピアノの名盤の一枚だと思います。
この録音の面白いところは、録音が1980年にデジタル録音したものなのですが、当時はまだCDと言う製品が発売される前だったので(CDは1982年に発売だったと思います)、デジタル録音がソースではありますが、オリジナルメディアはレコードなのです。製造ノウハウが最も成熟した時期のレコード盤に、デジタル録音で製作したものなのです。
私は学生時代(1984年くらい??)にCDを購入して、そちらを愛聴していました。レコードの方は最近購入したのです。
さてオリジナルレコードを、ELPレーザーターンテーブルで再生した音と、CDからリッピングした音をアップロードします。両方とも素晴らしい音です。ELPレーザーターンテーブルで再生した音は、通常の針式のプレーヤーの音とは違っていて、音が丸くなっていない(優しい感じなっていない)のです。ガツンとしていています。
基本的にはCDと同じ音と言っても良いと思います。正確に聴き比べると、ELPレーザーターンテーブルで再生した音の方が、より迫力があって良いと感じますが、まあそれは好みの範疇だと思います。
無音時の再現性は、ELPレーザーターンテーブルが盤面との摩擦が無いために通常のアナログレコードプレーヤーと比べるとノイズレベルはかなり低いのですが、それでもさすがにCDの方がはるかに上です。CDの方がペダルの動く音まで感じ取れます。
このグラフを見ても、波形がほとんど同じだという事が判ります。そのくらい、ELPレーザーターンテーブルのレコードの再生再現性は、画期的なのです。
ELPレーザーターンテーブルで再生
CDの音をリッピング
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