先日「コントラバスでブンブン弾いている」という例えを出しました。過度なスピードやアタックによるボウイングの事を表現したつもりです。それでは、理想的なボウイングによる力のかかり方とは何かというと、私は「物が落ちるときの力」と例えることが近いのではないかと感じています。

 例えば、物が落ちる時の事を想像してみましょう。

 今、私が重いハンマー持っていて、その手を離したとします。そうしたら、そのハンマーはスッと落ちます。
 次に、鳥の羽を摘まんだ指を、パッと離します。そうしたら、同じように、鳥の羽はスッと落ちます。

 この実験は、アポロ15号で実証済みです。

 何が言いたいのかというと、力は手を離した瞬間にかかったのではなくて、ハンマーにも鳥の羽にも最初からかかり続けていたという事です。だから手を離した瞬間に、自然な力がかかったのです。

 重力は、鳥の羽に優しくかかったわけでもなく、一方重いハンマーに特に力強くかかったわけでもなく、常に一定にかかり続けていたのです。

 ボウイングにおいては、「重力」ではなく、「圧力xスピード」のふたつの要因になるのですが、しかしイメージとしては、私は物が落ちるときの自然な運動が、理想的なボウイングの運動と共通した運動に思えるのです。

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