昨日、お客様と、オイストラフ演奏のチャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲のレコードを聴きました。このお客様はとてもお上手な方なので、レコードを聴いて私が感じたことを、同じように正確に理解できていて、話をしていてとても楽しかったです。

 これまで同じようにオイストラフのレコードを聴いてもらった他のお客様も同様の感想を持たれますが、オイストラフの演奏の凄さは、演奏技術の完璧さはもちろんですが、「音のダイナミクス」にあるのです。

 多くの方は「音のダイナミクス」というと、弓を大きく使ったり、速いスピードの豪快なボウイングによって生まれると思っている人が多いのですが、実は「音のダイナミクス」とは圧力によって(正確に言えば、圧力とスピードの要素の組み合わせで)生まれるのです。

 オイストラフのレコードを高音質で再生すると、ボウイングが手に取るように見えてくるのです。これは本当の話です。

 特に私の工房にて良い弓や、良い楽器を購入してくださった方には、その「ダイナミクス」というのが実感できているからさらにオイストラフが見えるのです。

 このお客様も「まるで演奏が見えるよう」と驚かれていました。さらに「これが今となっては定番奏法のオイストラフ・カデンツァのオリジナルなんですね」と感動されていました。

 

 ネットでこの文章を斜め読みしている方には、おそらく単なる宣伝広告としか思われないと思いますが、そんな安っぽい文章を書くためにオーディオの音にまでお金を掛けたりはしません。

 重要なのは「真の意味での性能の高い弓」を手に入れる事であり、そしてそれを元にして「良い楽器」を判断して購入する事なのです。これ、本当です。

 さらに理想は、「演奏者としてのオーディオ」も追求することです。

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