オイストラフとオボーリンとのペアの演奏は素晴らしいのですが、聴けば聴くほどにオボーリンのピアノ演奏が凄いです。何と、ピアノの音色を変えているのです。嘘のようですが、本当に音色を変えています。
基本的には音色を丸くしてヴァイオリンの演奏を引き立たせているのですが、ある部分ではピアノらしい張りのある音に豹変して、ピアノの音を主張しています。
不思議なのは、音量でそう感じるのではなく、同じような音量での演奏でも、音色を変えているのです。おそらく微妙な鍵盤の打撃タッチの変化で、音色を変えていると思われます。
一方、晩年の演奏のバドゥラ=スコダとの録音は、私はあまり良いとは思えません。なんだかピアノが主張しすぎている感じがして。ド素人の私が批評するなんて罰当たりなのですが。ウィーンで録音していなかったら、もっと良いバランスの録音だったのかもしれません。