ピアノの曲って、とても魅力的です。

 特に高音質のCDやレコードで再生したピアノの音の、あの金属的な打撃音と、それに相反するような流れるような演奏技術、そして曲の完成度は、なんだかコンピューターのプログラムでも見ているような、不思議な感覚です。

 いつものようにピアノの曲を聴きながら、「この音の独特な魅力って何なんだろう?」と考えました。私がいつも感じる「ピアノ独特の音」があるのです。

 そうしたら思いついたのが、「音程の悪さ」なのではないかという推測です。

 ピアノの曲って、とても完成された曲ばかりです。演奏者の演奏も個々の特徴はありますが、素晴らしく、完成されていると思うのです。

 ところがそんな完璧なピアノの音の、唯一の揺らぎ部分が「音程」なのです。

 おそらくその不安定さが、ピアノの魅力なのではないでしょうか? そしてその魅力を巧みに出すのが、調律師の技術力なのでしょう。

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