以前にも書いたことがありますが、MAGIX社へ移行してからのVegas Proの「MAGIX AVC」書き出しでは、Vegas Proのタイプライン上で設定しているマーカーを、DVD Archtectのチャプターとして自動引き継ぎすることができなくなりました。

 ちなみに、SONY AVCを使ってレンダリングすれば、マーカーを引き継ぎすることは可能ですが、SONY AVCレンダリングはもう設計が古いのか、MAGIX AVC書き出しよりもレンダリング速度が遅いです。マルチCPUを有効活用できていないようです。

 従って、現実的にはMAGIX AVCを使ってのレンダリングが実用的であり、DVD Architectへのマーカーの自動引き継ぎは諦めなければなりません。

 それで最終的には、DVD Architectのタイムライン上でチャプターを設定するしかないのですが、可能ならば、Vegas Proのタイムライン上に設定したマーカー位置を正確に、コピー(再現)できるのが理想です。なぜならば、DVD Architect上で映像や音声を頼りに、チャプター位置を設定する場合、もしもVegas Proで再編集箇所ができた時に、再度DVD Architect上で映像と音声波形をにらめっこしながら、チャプターを再設定するのは大変だからです(チャプター総数が10個以下でしたら、一々DVD Architect上でチャプターの打ち直しを行っても問題ありませんが、総チャプター数が数十個となると面倒です)。

 Vegas Proのタイムラインに設定したマーカー位置を、可能な限り簡単に正確に、DVD Architect上で再現できるのが理想です。以下、私が採用している方法を紹介します。

 

  1. Vegas Proの「ファイル」→「プロパティー」→「プロジェクトのプロパティー画面」→「ルーラー」頁→「ルーラーの形式時間をSMPTEドロップ(29.97fps、ビデオ)」となっている所を、「SMPTEドロップなし(29.97fps、ビデオ)」に変更→「適用」
    ここが重要なポイントです。ちなみに、画質には影響ありません。
  2. Vegas Proにて映像編集を完成→チャプターの位置にマーカーを打つ。
  3. Vegas proからMAGIX AVCを使って映像の書き出し、音声WAVの書き出し。
  4. Vegas Proの「表示」→「ウインドウ」→「編集の詳細」を表示させる。「表示(選択したイベント)」という箇所に、「マーカー」を指定すると、設定した全てのマーカーの時間が一覧になって表示されているはずです。
  5. 一覧に表示されているマーカー番号と位置時間の表を、「マウスで範囲指定して、コピー」→「メモ帳やワープロソフト上に貼り付け」
  6. Vegas Proを閉じる。
  7. DVD Architectを立ち上げて、「メディアの挿入」→「メニュー1」を削除。すると、Vegas Proで書き出した映像と音声が表示されるはずです。
  8. DVD Architectのタイムラインの左に大きく表示されている「時間窓(00:00:00:00)」をダブルクリックすると、数値を直接入力できるようになりますから、そこに先ほど貼り付けておいたマーカーの時間を入力してエンターキーを押すと、マーカー位置に移動しますので、「M」を押してシーンチャプターを入力します。

 ちなみに、1.のルーラーがSMPTEドロップ(29.97fps、ビデオ)のままだと、チャプター位置がわずかに後方にずれてしまいます。必ず「SMPTEドロップなし(29.97fps、ビデオ)」にしておいてください。

補足:1.の設定変更は、3.と4.の間で行っても大丈夫です。
補足2:こちらの具体的な操作方法の記事も参考にしてください。

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