とくにアマチュアヴィオラ奏者に多く見受けられるヴィオラの音の特徴なのですが、音の歯切れが悪くてモコモコ、ゴワゴワした音です。音程がよくて、演奏が上手な方でも、そのようなヴィオラの音が多いのです。

 正確に言えば、この特徴はヴィオラ以外の楽器でも同じように多いのですが、特にヴィオラが目立ちます。というのは、ヴィオラという楽器はいくつかの理由から発音がしにくい楽器だからです。
 主な理由として、楽器のサイズや演奏方法の制限から来る、こればかりはどうしようもないヴィオラという楽器の限界、制限です。逆の事も言えて、この制限下から出る音がヴィオラの音の特長とも言えます。
 もう一つの理由は、本当の意味での作りの良い、音が良いヴィオラが少ないという現実です。
 そして最後の理由は、ヴィオラの方があまりお金を掛けて良い弓を購入したり、良い楽器を購入したり、調整にお金を掛けたりしない傾向にあるという現実です。

 いずれにせよ、ヴィオラという楽器は、発音がしにくいのです。

 話を戻しまして、なぜ「歯切れのない、モコモコ(ゴワゴワ?)した音」かというと、先に述べましたようにヴィオラは発音するのが難しいので、ついつい指板寄り(または指板の上)を弾いてしまいがちです。とくにアマチュア奏者に多く見受けられます。

 指板寄りを弾くと、一見、弦を振動させやすいのです。安易な発音が可能になります。

 ところが、弦を発音させやすいと言うことは、楽器側の視点から見ると、簡単に弓と弦の摩擦力を解除できる(スリップさせる)ということでもあるのです。

 楽器には無数の共鳴ポイントが存在します。その共鳴ポイントが、演奏したい音程の振動を妨害してしまうのです。だからモコモコしたぼやけた音に感じるのです。私には、「モコモコ」というよりは、楽器の時間差の反発音に聞こえます。

 それでは芯のある音程感のある音をどうやって出すのかというと、弓竿の腰の強い良い弓を使って、今までよりも若干でよいので駒寄りを圧力をかけて(自然な腕の重さを乗せて)演奏するのです。モコモコした音が解消するはずです。

 もっとも本当は、「良い弓」だけでなく、お金をかけてきちんとしたヴィオラの調整、良いヴィオラを求める努力なども必要ではあります。

 厳しい言い方になりますが、ヴァイオリンの方やチェロの方と比べて、ヴィオラの演奏者はそういう努力が足りないと感じています。

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