ちょっと誤解されるのが怖いのですが、私が常日頃から感じている、演奏者の勘違いの第一位が、「間違ったボウイウングと、間違った弓の性能」についてです。

 上手なプロの演奏者も含め、大多数の人が、弱い弓(本人はそうは思っていません)を、自分の高度な技術でコントロールする事こそが、高度な演奏技術だと思い込んでいるのです。

 しかしそんな演奏では、本人がいくら表現しようとしても、聴いている人には平面的な音楽にしか聞こえません。

 本当に理にかなったボウイングとは、弓を持ってコントロールするのでは無くて、弓を弦の上に置くイメージです。それどころか、自分の腕まで、弦の上に置いてしまうイメージなのです。感覚的には、ボールをつく動作と似ています。ボールをつく時って、ボールを握ってはいません。

 良い弓とは、その時に潰れてしない、自分の腕の重さを余裕で支えてくれる弓竿の腰の剛性がある弓なのです。

 この主張をし続けて、もう25年になります。しかし、相変わらず変な弓が売れ続けています。

 ちなみに、カーボン弓は、特性が全く違いますので、決して私の言っている強い弓ではありません。誤解しないでください。私は絶対にお勧めしません。

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