弓がプルプル震えてしまうことで悩んでいる方は多いと思います。特にpとかの演奏において深刻なのではないでしょうか?
実は、その症状はpの演奏だけではなくて、fの演奏でも出ているのです。しかし目立っていない(気づいていない)だけなのです。
なぜ弓が震えるのかというと、物理学的に、力学的な意味での力のバランスが崩れているからなのです。
なぜ力のバランスが崩れているかというと、弓を持ち上げてコントロールしてしまっているからなのです。ここが「根本的間違え」と指摘している部分です。
弦の上に弓を単純に(変な小細工はせずに)乗せてみてください。弓は震えていないはずです。なぜならば、弓の重さ分の一定の大きさの力のベクトルが下向きに働き続け、弦からの反作用で弓が上側に押し返されているからです。
弓の下向きの圧力が常に一定であれば、その大小にかかわらず、弓は震えないのです。
すなわち、pとは下向きに1の力で圧力をかけ続ける行為であり、ffとは10の力で圧力をかけ続ける行為です(1とか10という数字は例えの値ですが)。
すなわち、両者の行動に共通点は、「共にプラス」の行為をしているということです。「マイナス」のコントロールをすると、弓は震えるのです。pを演奏する事をマイナスコントロールと思っている方がとても多いのです。
「プラスの操作の演奏」。これができるのは、弓竿の腰の強い弓(すなわち真の意味での性能の良い弓)だけです。
前回の記事で「縦に弾く」と書いたのも、同じ意味です。
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