ヴィブラートを観察すると、理想的な「弦長変化ヴィブラート」と、「振動(痙攣)ヴィブラート」に別けることが出来ます(補足:エレキギターなどでは張力変化ヴィブラートもあります)。
弦長変化ヴィブラート
これはヴィブラート奏法の基本です。詳しくは私のホームページに書いていますので、そちらを読んで欲しいのですが、指を弦の長さ方向(指板の向き)に転がすことによって、弦の弦長が変わるのです。それによって周波数が変化し、いわゆる波打つようなヴィブラートが生まれます。
この理想てきなヴィブラート奏法の特徴は、楽器がブレないことです。それによって、弓が暴れずに摩擦力が持続されるのです。
振動(痙攣)ヴィブラート
これに関しても先に紹介したホームページを読んで欲しいのですが、いわゆる間違ったヴィブラートです。楽器が暴れてしまって、摩擦力が途切れ(擦れ)それによって音が変化するのですが、周波数変化はあまり起こっていません。
しかし意外にも、このようなヴィブラート(?)を迫力のあるヴィブラートと思い込んでいる演奏者がとても多いのです(そのような事例を多く見受けます)。
さて、本題の「上手なヴィブラートは良い音程と直結する」とはどういうことなのか? というと、単純明快です。
先に紹介したホームページの指の動くイラストを見てください。これが上手なヴィブラートをスローモーション拡大したイメージ図です。
この理想的なヴィブラート奏法では音を発音した次の瞬間、「ヴィブラート操作と同時に、正しい音程を一瞬のうちに探ることができる」のです。これによって正しい音程が出せるのです。私の感覚としては、指板上の音程のツボ(凹み)に指を落としはめるイメージです。
逆に、痙攣ヴィブラートでは指の位置が固定されてしまって、音程を微修正できないのです。