開封したばかりの新品の弦なのに、弦の表面が黒っぽく変色しているという経験をした方も多いのではないでしょうか?
ヴァイオリンで言えば、大体G線(4番弦)で見受けられる現象です。
これは銀金属の黒錆びです。銀金属は黒く変色しやすいのです。だから、製品の輸入の最中だとか、卸業者の保管期間とか、または購入者がケース内に保管した期間や状態によって、錆びてしまうこともあるのです。
様々な製品に含まれている硫黄成分だとか、空気中に漂っている(?)硫黄成分に反応して黒く変色するみたいです。温泉街で銀アクセサリーが真っ黒く変色してしまうのと、おそらく原理は同じと思います。
もっとも、銀の黒錆は鉄やアルミの錆とは異なり、表面の極薄い層だけの変色です。だから弦の手触り具合が変わることもありませんし、音だとかの性能に悪影響もありません。
ちょっとぐらい黒ぽくなっていても、「欠陥品を掴まされた!」なんて思わないでください。また、ご自分のスペア弦が多少変色していても、廃棄しないで使っても大丈夫です。
もっとも、10年以上もケース内に保管していた古い弦のとかの場合、弦自体が劣化しているでしょうから、そういうのは別問題です。