「製作」や「調整」する上で私が常に意識しているのは「良い音とは何か」を考えることです。実はその最終答えは既に出ています。「答えは無い」ということです。
しかしそれでは何も進まないので、常に自問自答というか、道をさがしいているのです。お客さまの要望を満たす事が良いのか? それともお客の考えを変えてでも、お客の知らない世界に導くことが良いのか? 予算をかけさせないことが良いのか? それとも予算をかけさせてでも、より良い音を追求するのが良いのか? 今を見るべきか、将来を見据えるべきか?そしてその「将来」とはどのくらいの「将来」の事なのか?
もちろん、ケース・バイ・ケースなのですが、私は常に自問自答をしています。そしてその時の私の正直な気持ちを、「私の考え」として主張するようにしています。
この事は弟子に教える上での基本でもあります。「良い音」を教えられない私が弟子に何を教えるべきか?ということです。私の一貫した教育方針は、「良い音は将来自分で追求してください。私はこの場ではそれを追求するための基本を教えます」ということです。 そして「その基本とは何であるべきか?」との自問自答になのですが・・。
周りから見たら、私は自信を持って好き勝手にやっていると思われるかもしれませんが、常に「何をすべきか?」と考えているつもりです。最近では、そう考えているうちに時間が過ぎていくのです。ああ。
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