昨日、私の工房のお客様がカントゥーシャ作のヴィオラの試奏にいらっしゃいました。

　そのお客様所有のヴィオラも素晴らしい音の楽器なのですが、あたらめて弾き比べてみると、カントゥーシャ作のヴィオラの音の表現力に驚きました。

　響きの豊かさだけで無く、音量感（深さ）が全く違うのです。「チェロのような響き」という表現はあまりにも安直ですが、そういう例えもまんざら見当外れではありません。私もここまで差が出るとは思いもしませんでした。

　実際に弾き比べする前は、「＊＊さんのヴィオラは素晴らしいので、買い換える必要は無いと思いますが」みたいな会話をしながら、弾き比べ試奏を始めたのです。

　ところが、その音の差に驚いたのは実は私の方でした。

　ヴィオラの演奏を日々追求している演奏者は沢山いらっしゃいます。しかし、楽器としてのヴィオラの音を私ほど追求している人間は、そうそう多くないと自負しています。それほど私は、自分の技術者として眼（追求心）と技術力に自信、自負があるのです。

　しかしその私の価値観を変えるほどの音の差があることに、改めて衝撃を受けたのです。

　私はカントゥーシャ工房で実際に楽器を作っていただけでなく、これまでに何本かのカントゥーシャ作のヴィオラを仕入れて、調整して、販売してきました、だからその音の素晴らしさは知り尽くしていたつもりです。
　しかし、良いヴィオラ同士を、上手な演奏技術によって直接比較（それも私が聴く側として）は、今まで経験が無かったのです。

　だから今回、あらためてカントゥーシャ作のヴィオラの音に驚いたのです。

　これを読んでいらっしゃる方は、単なる誇大宣伝だと思われることでしょう。しかしこれだけは言いたいです。「ヴィオラの本当の音（可能性）って、皆さんが思っている以上にもっと素敵なのです」、と。

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