オーディオは、弦楽器を考える上での簡易モデル(単純モデル)であると思います。

 弦楽器では様々な複雑な要因が複雑に絡み合っているために、考察するのはとても難しいです。しかし、一旦オーディオに置き換えて考察することで、複雑で考察不可能とも思える弦楽器における、考察の糸口が見えてくるのです。

 私がオーディオの話題を多く書いているのは、弦楽器に対するヒントを得たいためなのです。

 さて、オーディオにおける「悪い音」とはなんでしょうか? 「良い音」の話題は多いのですが、「悪い音」というものを話題にすることはほとんどありません。

 なぜなら「悪い音」の絶対的な評価値は存在しないからです。「安物のオーディオ装置」の音が「悪い音」かというと、そうとも言い切れません。
 例えば、自分が気に入っている音(装置)だとか、自分が慣れている音(装置)は、他人に何と言われようと、不満は感じないから「悪い」とは言えないからです。

このように「悪い音」を定義するのは難しいのです。

 一方、「音響的に性能の低い音」は存在します。周波数特性とかノイズ特性などです。

 

 これは弦楽器にも当てはまります。

 「良い楽器」は存在するのですが、「悪い楽器」は存在しないのです。ただ、「良くない楽器」は存在します。・・・言葉上の能書きのような気もしますが・・・。

 さてここからが本題であり、難しいところです。私が生涯をかけて追求している課題でもあるのです。

 

「自分が気に入ってさえすれば、何でも良いのか?」

 

 現時点での私の明確な答えは出ていないのですが、答えに近づくためのキーワードはあります。

・物理的に理にかなっているか?
・物理特性(音響特性)。
・視点の移動(「遠足のおにぎり」、「無限階段におけるゴールとは?」)。

 

 

関連記事: