先日テレビの音楽番組で、若手のヴァイオリニストがVn協奏曲を弾いていました(演奏曲を書くと、番組名だとか演奏者名が特定されてしまいますので書きません)。

 一目見て、私が常日頃から主張している「理にかなっていないボウイング」の典型みたいな演奏でした。

 「弓が動きまくっている」のです。「跳ね回っている」と言った方が正しいかもしれません。「暴れまくっている」と言っても大げさではありません。

 もちろん、演奏者の才能は素晴らしいです。しかし、根本が間違っているので、その素晴らしい才能が無駄になってしまっているのです。「もったいない」の一言です。

 しかし、多くの視聴者は、このような理にかなっていない演奏を、「ダイナミック」だとか「パワフル」だとか、勘違いしているのでしょうね。なぜなら、音を聴いている人って、ほとんどいませんから。多くの方は演奏というパフォーマンスを聴いているのです。

 私が言いたいのは、「せかっくの才能がもったいない」ということです。

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