よく「弓の傾き(毛の傾き)」とか「弓と弦との角度」について質問をうけることがあります。
言葉で質問したり、言葉で返答するのは簡単です。しかし、現実は全く違うのです。
というのは、実際のボウイングでは本人が思っているような傾きとか角度にはなっていなかったり、ボウイングにおいてフロッシュ寄りと、弓中と弓先とでは傾きが常に変わってしまっていたりして、変化してしまっているのです。だからどの時点での話なのかがわからないのです。
もちろん本人は一定の角度でボウイングしているつもりです。
だから、くどいほど言っているように「観察」が必要なのです。
それではその「観察」とはどうやって行うべきかというと、「撮影」です。特に「本番の演奏」が重要です。本場の演奏では自分の癖が出やすいからです。
注意:間違っても鏡で観察するのは止めてください。特にヴァイオリンとヴィオラの場合には練習の悪影響になりますから(チェロにおいてもお勧めできる方法ではありません)。