大ホールでチェロのソロを演奏するとき、低音の音が抜ける感じになってしまいます。特に、演奏者自信や近距離座席の聴衆においてそのように聞こえがちです。
これは空間の大きさと、反響板の位置関係で出る特徴なので、ある意味しかたありません。
これはヴァイオリンでも同じように起きます。例えばゲネプロなどで舞台での音出しの時に、通常の練習室での合奏の時のように、自分の音だとか、周りの音が聞こえにくく感じると思います。これは舞台の空間の広さが原因なのです。
しかし、舞台から少し離れた位置の観客はこのような音抜けは感じません。遠くの(近距離でない)観客には、楽器からの直接音と反射音が適度に混ざって、ホール設計者の意図する音になるからなのです。
だから弦楽四重奏とか小編成合奏とかは、大ホールでの演奏よりも小ホールの演奏の方が音が良いです。
しかし、大ホールでチェロのソロを演奏する事もあります。そのような時に、チェロの音抜けを改善するのが、私が考案した”Zauberplatte”なのです。チェロが逃げないために、音の発音が理想的にできて、結果的に中低音がぼやけないです。
私のお客様の中には、舞台演奏でも”Zauberplatte”を活用してくださっている方が何名もいらっしゃいますが、このような意味なのです。簡単に言ってしまうと、音が実際に良くなるから、たしょう面倒でも使っているというわけです。
”Zauberplatte”は練習用の滑らないエンドピンストッパーというよりも、ソロの音を追求しているプロの奏者向けの、「高性能チェロ楽器の一部」として捉えていただきたいです。音が良くなるきちんとした理由がありますから。
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