ロレックスでも何でも良いですが、機械式高級腕時計をイメージしてみてください。

 多くの方(ユーザー)は、その美しさや重厚感、または精密な歯車から成り立つ精度に魅力を感じていると思います。

 もちろん、内部には精密な機械がビッシリ詰まっていて、精確に動いていると言うことは知っています。しかし、どの歯車がどのように動いているか、どのような仕組みで動作しているのかを知っている人はほとんどいないことでしょう。

 弦楽器も全く同じです。おそらく皆さんが考えてもいないような部分まで数多くの部品(または部分)が、音に影響するのです。

 ただ、それら微細な部分(部品)の影響力は微細です。だから、技術力のある技術者は、理論的に(または経験的に)その部品の影響力を把握していて、各所の微細な操作の積み木を地道に積み上げるように重ねていく操作です。これが調整です。

 調整とは、各所のベクトルを揃える行為です。魔法の技術力はありません。しかし、微細な影響でも、同じベクトルで重ね合わせるする事で、目に見える影響力として表れるのです。

 腕時計の中身も知らない人が、知ったかぶりをして色々いじってしまったらせっかくの高級時計も台無しです。弦楽器も自分で弦や肩当てなどを交換せずに、信頼している技術者に相談して、その技術者に「調整」してもらいましょう。

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