先日、あるお客様の楽器の、ペグに巻いてある弦が、とても長くブラブラしていました。どうやら先生がペグ回転位置を修正しようと弦を巻き直したときに、弦の先端部分を長めに引き出したようです。

 この様な「弦ブラブラ」は、少し前に流行っていました。この方が音が良いと言って、ブラブラさせている人も多かったです。

 しかし私の確認では、音が悪くなる方が多いと感じています。その理由も、ある程度は理論的に説明できます。

 簡単に音に完成する要素を説明すると、「質量」と「エネルギー吸収(ダンピング)」に分けられます。

 今回の「弦ブラブラ」に関して言えば、弦の長さは切っていないので、「質量」は同じです。次に考える要素は、「弦の先端が振動することによる、エネルギーの吸収(ダンピング)」です。

 例えば、超高層ビルの地震対策で、屋上に水槽を設置したり、または稼働する重りを設置したりする免震機能をご存じでしょうか? 弦楽器の「弦ブラブラ」は、これと同じ原理の免震機能を持っているのです。

 「軽い弦の先端の振動で、音が変わるかよ」と思われている方。良い楽器では、そのくらい微細な影響でも音は変わるのです。実際先のお客様も家に帰った後、「こんなに変わるのですね」って驚かれてメールをくださりました。

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