YouTubeに「チェロの音響の可視化」の映像を掲載しました。

 この映像で、自分が感覚的に感じていた「音が出ている部分」、または「音像のイメージ」と、実際の観測結果を照らし合わせる事が出来ました。

 私が感じていた「音像」には、「鋭い、突き進むような音」と、「大きく、柔らかに広がる音」に大きく分けて感じていました。今回の観測からは、それが明確に判ります。すなわち、私が感じていた音像感、または音響感が間違ってはいなかったという証明でもあったのです。

 その答えは、空間の「定在波」です。

 この「定在波」を生み出すためには、「一定の周波数」と「長時間の持続時間」の二つの要因が重要になります。弓で弦(響板)を強制ドライブしているときには、弦の振動が調和振動にならないために定在波が生まれにくく、すなわち「鋭く、突き進むような音像」になるのだと考えられます。

 また長時間の調和振動は空間に定在波を生み出すので、「余韻の広がり」を感じるのだと考えられます。「響きが飛んでいく」という感覚も、この定在波の話なのかもしれません。

 また、弓で弦(または響板)をドライブして出る音も、周波数(演奏する弦)によって、響板の振動するポイントが違います。この結果も、「音像が一点に固定されない」という自分のこれまでの感覚と一致していました。

 今回の簡単な実験から、私の長年の経験、感覚の確実性が正しかったという確認がとれました。

 「感覚」は自分を誤魔化すことが出来ます。だから不確実なのです。しかし今回のように実験で確認がとれた感覚は、単なる感覚では無くて観測に準ずるのです。

 

補足:カントゥーシャの楽器は響きが素晴らしいのです。これは楽器の構造から、弓で弦(響板)をドライブしているときにも、楽器の開放弦などから調和振動が生まれ、「鋭い突き進むような音」の他にも定在波を生み出す音が出るからだと推測できます。これが「響きのある楽器」の正体なのだと思います。

 

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