古楽器演奏と言っても、様々なスタイルがあります。本格的なのは、当時のオリジナルの古楽器と、バロック弓(純反り竿)をペアで使って弾く奏法です。また一方で、完全に現代の楽器と弓にガット弦だけを張って、奏法だけ古楽器奏法に寄せて演奏するスタイルもあります。
何が正解であるということもなく、自由な解釈ができるというものもこの手の古楽演奏の魅力なのだと思います。
「自由」とは言いましたが、技術者としての私の考え方もあります。
それは、「張力の弱いプレーンガット弦を張った場合には、弓の圧力は掛けないで、弓のスピード要素で演奏する」という考え方です。
通常私が主張する、「弓竿の腰の強い性能の良い弓で、自然で大きな圧力をかけて弾く」と言う、「理にかなった現代奏法」のその真逆の演奏スタイルです。
「圧力を掛けないで弾く」というと、多くの方は「圧力を抜く」と思うのですが、それは間違いです。私が普段、「理にかなった圧力とは、力んで押さえつけるのではなくて、自然に掛かる力」と説明していますが、その真逆で、「自然に圧力がかからない奏法」なのです。
古楽器に張ってあるプレーンガット弦は、圧力をかけてしまうと音が歪んでしまいます。だから、弓のスピードを速く、楽器の表面を撫でるような(弦の振幅が大きくなるような)奏法が求められるのです。
このような奏法は、「弓竿がペコペコの性能の低い弓」を使えば良いです。すなわち、サブ弓を使って古楽器を弾くと、結構それっぽい音が出るはずです。もちろん理想は、正式な古楽弓(純反り竿)を使うことですが。
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