最近、弦楽器関連におけるテレビ番組や紙面での記事のレベルが酷いです。他の分野についてもお同じなのかもしれませんが、別分野のことは私は知りませんので何とも言えません。しかし弦楽器関連の番組や記事ならば、私にはわかります。

 もちろん、中には素晴らしい番組もありますし、記事もあります。しかし、その割合はかなり少ないと言ってもよいでしょう。

 なぜ、マスコミ関連の方々は、こんなにも間抜けで見当外れなことを堂々と制作できるのでしょうか?それは、「知らない」からなのです。それが答えです。

 さらに具体的に言うならば、インターネットの悪影響とも言えます。

 

 私の工房にも時々テレビ局(時々ラジオ局も)、新聞、雑誌関連の方からの問合せの電話が来ます。そのほとんどは、インターネットで情報を検索して、その検索に引っかかった私に連絡しているだけなのです。

 インターネットも何も普及していなかった以前ならば、弦楽器関連の番組を作りたかったら、または弦楽器関連の記事を書きたかったら、まずは「専門家」を紹介してもらう事からはじまったはずです。そしてその専門家の家に直接行って取材したり、助言をもらったり(または別の専門家を紹介してもらったり)しながら、番組や記事を構成したはずなのです。なぜならば、「専門知識」は、通常の人には手に入る事ができなかったからなのです。

 しかしインターネットが普及してからは、状況が全く変わりました。「検索」によって、それっぽい情報はいくらでも手に入るのです。

 しかし、「インターネットで手に入る情報のレベルは、検索する人のレベルと同等でしかない」という事を、理解している人は少ないです。いや、知ってはいるのかもしれませんが、お高くとまっているマスコミ関連の方々は、自分自身がいかに何も知らないと言う事を認めたくないのかもしれません。

 このような理由から、私の工房にかかってくるほとんどの「協力依頼」は、弦楽器において低レベルな人(悪口ではありません、それが普通なのです)による番組構成なり、記事の筋が既に出来上がっていて、それに協力してくれる実技者を探しているに過ぎないのです。もっと酷い場合には、自分たちの推論の同意を電話口で得たいだけなのです。
 お高くとまっているようなテレビ局(その依頼制作会社)、新聞社の記者ほど、自分の筋で凝り固まっているというのが私の感想です。

 将来のある若いマスコミ関係者に、私からアドバイスがあります。それは「本質は脚で得るもの」という事です。ネットで検索して知ったつもりになっていてはダメです。

 

蛇足
 これまで私が出会ってきた取材記者のレベル(酷い順から)
1. 何の事前勉強もしないで取材に来た人(私のプロフィールさえ知らなかった)
2. 自分のへんてこな弦楽器論を私に同意させようと、自分の用意してきた筋へと私を誘導しようとする人。ある意味、これが一番悪質で最低と言えるかもしれません。お高くとまっているような大会社(局、新聞社、出版社等)の人に多く見受けられます。
3. 私のプロフィールだけを読んできて、弦楽器関連の私のホームページやブログを読もうとした努力が全く見えない人。さらにその上、弦楽器に関しても興味がなさそうな人。
4. 私のプロフィールだけを読んできて、弦楽器関連の私のホームページやブログを読もうとした努力が全く見えない人。しかし、上記のと違って、興味はありそうな人。
5. 事前の勉強を熱心にしてきたというのは凄く感じるのですが、その知識が偏った方に凝り固まってしまい、私の言葉が耳に入っていないと感じる人。
6. 事前の勉強を熱心にしてきたというのは凄く感じるのは素晴らしい事なのですが、その知識が口に出てしまって、肝心の私の言葉を遮ってしまう人。

 これまで私が出会ってきた取材記者のレベル(凄い人)
1. 私の書籍を購入して読み込んできて、さらにホームページやブログの読みこなしているのを感じる人。さらにそれらの事前の知識を一旦0にして、私の話に耳を傾けようとする人。私の方がその方の人柄に惚れ込んでしまい、どんどん自然と喋らせられているという感じなのです。

 

 世の中がどんどん薄っぺらになっていっているように感じるのは、私の思い過ごしでしょうか?

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