ヴァイオリン族の魅力について色々な側面から考えてみてたどり着くのは、その「シンプルさ」です。無駄なものをそぎ落として、たどり着いた極地とも言えるでしょう。これは料理でも同じで、良質な素材はこてこてに味付けするよりも、「素材の味が楽しめるように」と良く言われます。
すなわち、「引き算」の美しさなのです。本当に素晴らしいものは、シンプルなほど良さが判ります。美しいのです。
ところが高度経済成長以降の日本の風潮は、「足し算志向」とでも言ったらよいのか、なんでもコテコテに付け加えるのが良いという風潮です。例えば、デパートの過剰包装・・・あれがサービスと勘違いしています。
また、私は今日のお昼に外食したのですが、その店のBGMの煩さ・・・。あれが客サービスだと思っているのです。既に何度も書いていることですが、「駅やエスカレーターでの注意アナウンスの垂れ流し」も、クリスマスシーズンの過剰ネオン装飾も・・・。サプリメントによる健康志向ブームなども同様です。
「本当の美しさ、豊かさ」をヴァイオリンに学ぶべきです。「引き算」の美しさ・豊かさについて、もう一度考え直さなければならない時期に入ったのでしょう。「貧しい引き算」ではなく、「豊かな引き算」についてです。