楽器を演奏している構えている時に真横から見たときに、頭(顔)が前に飛び出てしまっている人が多いです。これは、特にアマチュア演奏者、それも初級者になるほどに多く見られますが、演奏の上手な方でも意外と多くの人がそのようにして弾いています。
みなさんもご自分の演奏会ビデオなどで演奏姿を真横から観察してみてください。または、お友達の演奏姿を観察してみてください。頭部が前に突き出て(アゴを突き出して)、弾いている人が多いのに気づくはずです。
一方、上手な人の姿勢も観察してみてください。頭部が背骨の上に乗っていて、背筋がピンとしているはずです。よく演奏の指導的に、「背筋を伸ばして!」と注意される事も多いのですが、 実は背筋の問題の方ではなく、「楽器を構える理論」の問題なのです。
「楽器を構える理論」を理解しないまま、強引に楽器を持ち上げようと知ると、先のように頭が前に突き出てしまうのです。さらにそのような状態で背筋を強引に伸ばそうとすると、肝心の背筋が伸びずにお腹が出てしまいます。このような姿勢で弾くと、理にかなった演奏ができないので音が悪くなるだけでなく、最悪、身体を痛めてしまいます。
重要なのは、全て「理」です。
楽器の製作も調整も、全てのこのような理論を理解して、理にかなったことを、高度な技術を持って行うものなのです。多くの方(特に自分に自信がある人ほど)は、そのような根拠も知識もなく、「自分にあってるもの」が良いと思い込んで、勝手な部品を購入して装着したり、勝手な弦をはってみたりしています。趣味なのだから、本人が満足しているのだったらそれでよいという考えも一理あるのですが、私の工房ではそのような考えは控えてもらいます。「理」を知ると、お客さまの方が「なるほど、そういうことか!」と驚きますから。
まずは、ご自分の姿勢を観察してみてください。観察こそが、上達への第一歩です。
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