カザルスホール、なくなってしまうのですね。皆さんにも想い出のあるホールだと思いますが、私にとっても想い出のホールです。
 私が東京ヴァイオリン製作学校で勉強中にできたホールで、当時としては画期的なイベントを催していました。ストラディヴァリやグァルネリの名器をメインとした演奏会とか・・・。無量塔藏六親方のコネクションもあり、そのような演奏会、展示会に何度か行かせてもらいました。
 着実に日本のコンサートホールの歴史を刻んでいるホールだと思っていたら、なくなるのもあっけないものですね。この「華麗なデビューとあっけない無くなり方」こそが、ヨーロッパと日本とのクラシック音楽自体の根本的な違いなんですよね。良いも悪いも。
 思い起こせば当時はバブル真っ盛りで、日本国内に大量の名器が入ってきた時でした。我々勉強中の身の者にとってはありがたいことに、名器に触れる機会が比較的簡単だったのです。

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