昨日にも「地方在住のため、弓を送ってもらって試奏することはできませんか?」というお電話をいただいたのですが、申し訳ありませんがお断りしました。
まるで意地悪に感じてしまうかもしれませんが、この事こそが私が一番大切にしていることです。せっかくの販売チャンスを失ってしまうことは「商売」としては惜しいところはあるのですが、しかし絶対に譲れない部分なのです。
なぜ試奏弓を送らないのか、それはお客様と私との直接の会話の中からしか得られないものが確実に存在するからです。それこそが、もの本質であり、また、それこそを購入するものなのです。すなわち、「弓」という商品を購入すのではなく、「私の技術」を、または「私の考え方」を、または「私自身を」購入することこそが、変な商品を手に入れない最も近道なのです。
もしも私が試奏用の弓や楽器を送って販売したら、その辺の通販会社とやっていることは同じになってしまうのです。
それでは「地方在住の方は、わざわざ数万円の交通費という負担を支払わなければならないのか?」
その通りです。しかし、私は断言します。「その、元は絶対に取らせますよ!」、と。
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