以前ならば、良い音を聞きたければ高価なオーディオセットを購入して、さらにグレードアップしながら音を追求したものです。「オーディオマニア」というやつです。私もそうでした。しかし最近の若者は「MP3で十分」と言います。確かに、必要十分の音質ではあります。
 楽器に関しても同じ傾向にあります。「これで十分」「特に不満はない」と、より上を求めようとしないのです。良い楽器も欲しいと思わないし、まして「技術」を求めて工房や楽器店に脚を運んで、話を聞こうともしないし・・。
 彼らの求めている楽器の音は「MP3クオリティ」とでも言ったらよいのか・・。音楽はネットからダウンロードするものと思っている人に対して「工房に足を運んで、人と人との話の中で・・」といくら言っても無理ってものかもしれません。技術はそこにしかないのに・・。これからの「技術」ってどうなってしまうのでしょうか?
 少し前に工房にいらした学生さんが、「こんな話は初めて・・」とか「そんなことを言ってくれる人はいなかった」とか、こちらがビックリするくらい感動(?)していたのです。私からしたら当たり前会話を「感動(?)」されたことの方が、ちょっとショックだったくらいです。もちろん、そう言ってもらって嬉しくもあったのですが。
 いずれにせよ、「若者よ、現状で満足するな!その上にはもっと素晴らしい世界が広がっている!」と言いたいです。

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