ご自分の楽器に愛着があるほど、ちょっとした事が気になりだして、「駒を交換して欲しい」とか、もっと極端な例だと「ニスを塗り直して欲しい」とか、「バスバーを交換して」とか、または「響板を削って欲しい」などという依頼もけっこうあるものです。または、そんなことを直ぐに口に出す技術者もいるのです。
しかし、楽器の大きな修理・改造は、人間で言うと「手術」にあたります。様々なリスクもあります。従って、考えに考えたうえで、本当に必要な場合のみ、行うべき物なのです。
楽器の修理の場合には、人間の手術と違って、さらに「経済性」とかの話も重要です。または、例えば響板を削ってしまうなどの大きな改造を行ってしまった場合、もしも結果がイマイチだった場合には後へは戻ることができないのです。だから慎重さが必要です。
基本的に、楽器の修理は、意識的な消極性が必要です。部品などの消耗品に関しては、あまり神経質になる必要はありませんが、楽器を分解するような修理は、できれば最低限で済ますべきなのです。
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