以前から何度も書いていることですが、

「楽器や弓は、今後とも末永くお世話になりたい楽器店(工房)にて、紹介してもらって購入してください」

 と言うのも、今後の日本は弦楽器業界に限らず人材不足、技術力不足になります。現在既にその傾向にあります。事実、ネットークションだとか、格安を売りにしているいい加減なインターネットショップ、または個人売買、または海外での購入など、自分で楽器だけ購入して、その後に修理・調整の場を必死に探し回る人が年々増えています。

 「その何が悪い?」と思われることでしょう。しかし、皆がそんなことを行っていると、真面目に技術を追求して、真面目な修理・調整を行っている楽器店(工房)は倒産してしまいます。なぜなら、修理・調整だけでは利益がでないからです(修理などは時間がとてもかかるために、受ける数に限りが有るからです)。
 すなわち、大きな金額の商品も売れて、はじめて利益は出るのです。

 弦楽器関連だけの話ではありませんが、「技術」とか「人材」というのは、お客様が落としてくれたお金が元になって、作られ、そして長年にわたって維持されています。技術とは、店側の努力ももちろん必要ですが、お客様側の理解と努力も必要なのです。

 だから、ご自分が将来にわたって末永くお世話になりたい、または技術力を維持して欲しいと思う楽器店にて、楽器だとか弓だとか、またはケースや弦を購入してください。「私の工房に」なんて、そんなせこい話ではありません。あなたの大切な楽器店に、お金は落として欲しいのです。

 

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