会社から役職名入りの立派な名刺を支給されている方には、なかなか理解してもらえないと思いますが、我々自営業者は名刺さえも自分で地道にデザインして、そして地道に印刷して作らなければなりません。もちろん予算があればプロのデザイナーと印刷業者に全て任せて作る事もできるのでしょうが、そうもいきません。
私の工房では、そんな名刺の作り方さえも教えているくらい、これも重要な仕事(技術)の一つと考えています。
私が使っている名刺は、工房開業時にデザインして、基本的にはそのまま追加印刷して使っている物です。私は名刺を配る機会はほとんど無いので、工房にいらしたお客様がたまに手に取ってくださったり、または、たまの取材時に名刺交換をする程度で、印刷した名刺もほとんど減りません。しかし最近、BDを作成したので、そのパッケージに同封する名刺が足りなくなってしまったのです。
私が自分の名刺を作る上で重要視しているのは、「名刺の紙の厚み」と、「文字の輪郭線のシャープさ」、そして「カラー写真の質」です。もちろん、自作の場合には限界はありますが、できるだけそれっぽい名刺を作りたいというのが、精度を売りにしている製作者としてのプライドなのです。
そこで私が行っている印刷方法は、レーザープリンタと、インクジェットプリンタの両方を使う印刷方法です。まずは、印刷用紙には可能な限り厚手の名刺印刷用紙を選択します。ペラペラの自作名刺もありますが、名刺はビシッと固い方が、それっぽいように思います(もちろん、好みの問題ですが)。そこで、私がいつも使っているのは特厚紙の「A・ONE 51292(100枚入り)」です。
通常は、この名刺用紙にインクジェットプリンタで両面印刷するのすが、もちろんそれでも悪くないのですが、目を凝らして見ると、文字の輪郭が滲んでいるのです。いくら顔料インクタイプとはいえ、インクジェットプリンタの限界です。
それではカーラーレーザープリンタで印刷すれば良いかというと、もちろんそれでも悪くはないのですが、写真部分が、いかにもカラーレーザーっぽくて、ザラザラしています。
そこで、面倒ですが2段階に分けて印刷しています。最初はカラーレーザープリンタで文字だけを印刷して、次にその上から画像だけをインクジェットプリンタで印刷するのです。
まあこれだけ苦労しても、所詮自作の域を超えはしませんが、それでも「手間やコストは度外視して、可能な限り」というのが私の、そして私の工房の基本方針です。
ちなみに、インクジェットプリンタのカラーマッチングも、ちゃんとしてた専用カラーマネジメント機器(X-rite i1Pro)を使って、プリンタのカラープロファイルを作成してから印刷しています。一見面倒ですが、これが色合わせの一番の近道なのです。
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