先日のある音楽番組で、「ある楽器の音色が人の声に近い」ということを説明するコーナーがあったのですが、その手の音の分析の話になると、必ずと言っていいほど「**音響研究所」というのが出てくるのです。まるで、テレビ局と提携しているかのように、この**音響研究所が出てきます。

 しかし、この音響研究所の説明って、いつもそう感じるのですが、単に波形を表示して、主観的な説明をしているだけなのです。私でもできるような内容の事を言っているのです。

 先日の映像中でも、まずは音を測定しているマイクが、音響測定用のマイクではなくて、一般楽器録音用のマイクなのです。さらに普通の部屋で測定しているし・・。表示している波形も、誰でも(私でも)できる内容だし・・。波形に対しての説明も科学的客観性に乏しいと感じました。

 まあ、この音響研究所自体が嘘をついているわけでも、悪いことをしているわけでもないので、今回私が言いたいのはそこの話ではありません。

 私が言いたいのは、テレビ局なんてそのレベルという事を言いたいのです。おそらく、本当の音響研究者の協力を得るのが面倒なので、いつも便利な「コンビニ」***音響研究所を活用しているのでしょう。

 事実、弦楽器関連の番組でも、本当に詳しい人は別にいるのに、なぜこんな人がいつも出演(協力)しているの?? ってのは、たくさんあります。話は簡単です。本当に詳しい専門家は気軽に(手っ取り早く)協力がしてもらえなかったり、または番組側の都合の良い番組構成に安易に同意してくれないからなのです。

 蛇足になりますが、私のところにも時々テレビ制作会社から電話があったりするのですが、大体は電話だけで、それも自分たちが考えた話の流れの同意を得るためだけの電話です(下手すると無許可で会話を最初から録音されているかもしれません)。私が「本当に訊きたかったら、工房にいらしてください」というと、それでも来たテレビ制作会社の人は一人もいません。その程度なのです。

関連記事: