つい先日、何気なくチャンネルをまわした放送大学で、楽器の高周波倍音と人間の感覚について論じていました。そこでは3種類の楽器(西洋フルートと、もうひとつは忘れましたが何かと、3つめはガムラン)の高周波倍音特性のグラフが掲載されていました。

 そのグラフの横軸は周波数で、縦軸が時間軸でした。そして横軸が100kHzだったのです。「西洋フルートでは高周波倍音があまり出ていないのに、楽器2(楽器を忘れました)とガムランは西洋フルートに比べて高周波倍音が出ているので・・・」みたいな説明でした(それ以外に時間軸変化の説明もしていましたが)。

 しかしこの100kHzスケールって、ちょっと無茶と感じました。

 例えば、「円周率」を小数点100桁まで並べたとします。そうすると、一般の人には小数点の100桁の近くこそが「凄い」と感じるはずなのです。しかし、円周率の重要性のほぼ全ては、「3.1」に含まれています。

 音の成分も同じなのです。最近の音響測定では、以前よりも簡単に高周波倍音が測定可能になりました。だから私も含めて、ついつい高周波倍音の話しをしたくなるのです。昨日ブログに書いた「ハイレゾ」の話しも同じです。

 しかし、重要なのは、「3.1」の部分なのです。上記放送大学のグラフでは、一番左隅の潰れてしまっているグラフ領域こそが重要な部分なのです。

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