私は時々発表会やコンサートのビデオ撮影を行うのですが、撮影者側から見て「映りの厳しい服(ドレス)」というのがあります。
 基本的に発表会の舞台は照明が貧弱です。強いスポットライトが真上から当たっているだけの舞台が多いのです。多くの場合、顔(前面)にまで理想的な照明がまわっていません。まあ、それはそれで予算の関係もあることですし仕方ないのですが、「厳しい」のは演奏者が白い服を着ているときです。
 ビデオカメラは意外なほど強い光に弱いです(ダイナミックレンジが狭い)。そのため演奏者(ソリスト)が白い服を着ていると、その服が「白トビ」を起こしてしまうのです。そのためにビデオ撮影者はカメラの露出を下げる(レンズの絞りを絞る)のですが、そうすると今度は顔が暗く映ってしまいます。
ビデオ撮影者側から見て、発表会(ソロ演奏)で注意した方が良いポイント
1. 白色のドレス、ブラウス、Yシャツ
2. 強い蛍光色の色
3. 前髪(顔に陰が出る)
4. 髪飾りの位置
5. 舞台の立ち位置
「1.」に関しては先に書いたとおりです。白色のドレスは綺麗なのですが、強いスポットライトの下では「ビデオ映り」が厳しいのです。同じように、色物のドレスでも強い蛍光色のドレスは同じような「色トビ」を起こしてしまいがちです。
「3.」に関しては好みの問題かもしれませんが、前髪が垂れているとけっこう真上からの照明で顔に陰が出やすいです。もっとも、私の娘の場合は「髪を上げろ」としつこく言っても、絶対に聞き入れなかったのですが・・。
「5.」舞台の立ち位置をほんの30cm前後するだけで、顔にかかってしまうスポットライトの陰の雰囲気がかなり違ってきます。リハーサルの時に、客席から「照明」の事もふまえて立ち位置のアドバイスをすることも重要と思います。
蛇足1
 こんな事を書きながら、今年の私の娘のドレスが白色なのは、お古を頂いたからです。さらに前髪が垂れて陰になっているのは、「お年頃」で親の言うことを聞かないからです。
蛇足2
 演奏会(特にアマオケ)でも、せっかく美しいソリストが照明から外れて陰になって弾いているのを何度か見たことがあります。「音(聴かせること)」のことは意識が高いのですが、「照明(見せること)」も重要なポイントだと思います。

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